メディア表現 VI 13.ノーコード開発III AI 3
目次
本日の内容
前回,前々回に引き続き
- 【第13回】
ノーコード開発IIIAI 3
をやっていきましょう。
前回,前々回のおさらい
- Gemini, ChatGPT…AIチャット
- NotebookLM…RAG
と位置付けが違うツールを紹介してきました。
前回の課題
AIの使い方について問う課題だったのですが、何も考えないでAI頼りになっているとバカになりますよ、っていう話だったかと思います。(論文読んでないけど)
こんなまとめを作ってもくれてます。
比喩的表現による理解の強化:
LLMグループが経験する認知的なオフロードは、車を運転する代わりに自動運転車に完全に頼ることに似ています。自動運転車(LLM)は目的地(エッセイ)へ効率的に連れて行ってくれますが、運転手が道順(知識の統合)、交通規則(文法や構造の微調整)、または緊急時の対応(引用や批判的思考)を自力で覚える必要性が低くなります。その結果、自動運転車が取り去られたとき(LLM-to-Brainグループ)、彼らの脳は、自分で運転するのに必要な強力で広範囲な神経回路を十分に鍛えていない状態に置かれるのです。
チャットに「人は、どのようにAIを活用すると良いのでしょうか?」
提供された資料に基づくと、人はAI(特に生成AIやLLM)を単なる効率化ツールとしてではなく、認知的な機能の補償と思考の主体性の維持を両立させる形で、戦略的に活用することが推奨されます。
AIを活用する上での鍵は、その利点(効率性、補償)を享受しつつ、認知能力の低下(認知的負債の蓄積)というリスクを回避するための「使い方」と「タイミング」を理解することにあります。
1. 学習と認知能力の維持のための戦略的利用
AIを学習や思考の過程に導入する際、最も重要なのは、AIに依存しすぎず、初期段階で自らの認知能力を十分に働かせることです。
(1)独力での努力を優先する
生成AIは、使い方次第で脳の活動やパフォーマンスを高めることが判明していますが、その導入のタイミングが重要です。
- 初期の努力の重要性: まずはツールを使わずに自分の頭(Brain-only)だけで作業に取り組むことで、記憶や言語など異なる領域を統合する神経接続といった最も活発な脳活動が観察されます。この独力での努力を通じて培われた高い意識や動機付けを保ったまま、後から生成AIの回答を組み合わせて考えることで、脳の活動やパフォーマンスを一層高めることができます。
- 初期依存の回避: 最初から生成AIに頼って楽をすると、怠け癖などの悪い習慣が身につき、脳活動や意欲、集中力が停滞したまま復活しない可能性があります。AIへの過度な依存は、学習スキルの低下や認知的負債の蓄積につながる可能性が示唆されています。
(2)認知的関与を確保する
AIを使う場合でも、思考のための労力をAIに完全に「認知的オフロード」するのではなく、人間が関与する「認知的な摩擦」を意図的に維持することが必要です。
- 丸投げの禁止: 教育やビジネスの現場において、「AIに丸投げさせない仕組み」を整えることが不可欠です。AIの提示する答えをそのまま最終成果物とするのではなく、ヒントや下準備に留め、人間が最終的に発想を組み立てるプロセスを必ず挟むようワークフローを設計すべきです。
- メタ認知スキルの育成: AIの出力に対して「この答えは本当に妥当か?」と疑い、チェックを行う習慣(メタ認知スキル)を継続的に育成することが、自動化バイアスを克服し、批判的思考を両立させる鍵となります。
2. 思考とアウトプットにおける理想的な役割分担
AIを効率化のツールとしてではなく、人間の創造性を増幅させるツールとして位置づけることで、思考の質を深めることができます。
(1)「知恵の創造」へのシフト
AIが大量の知識を容易に提供する結果、人間の思考の目的は、知識の暗記や検索から、その知識を基に新たな価値を創造する「知恵の創造」へとシフトする必要があります。
(2)AIを「思考拡張フェーズ」で活用する
AIとの関わり方には段階的モデルがあり、AIは思考の補助ツールとして活用する「思考拡張フェーズ」(第2段階)が推奨されます。
- この段階では、自分の疑問や違和感に対し、AIに多面的な視点や関連する概念を提示させることができます。
- AIはアイデアの幅を広げる「創造的思考の触媒」として機能し、人間は独自の視点やストーリー性、意図やコンセプトを最終的に付与するという役割分担が理想的です。
(3)人間中心の批判的評価を担う
AIが生成した文章は、独創性に欠け、似たような表現や発想が羅列された「魂の無い」内容になりがちであるため、人間が批判的に評価し、個性を加えることが求められます。
- AI利用群の参加者は、自身の書いたエッセイに対する所有意識が低い傾向が見られ、執筆内容の引用能力も著しく低いという結果が示されています。これは、AIが生成した内容を深く記憶に統合できていない(浅いエンコーディング)ことを示唆しています。
- 自力思考(Brain-only)グループは、成果物への所有権(Ownership)を感じ、高い満足感を得ていましたが、AIに丸投げするとこの所有権がAIに委ねられてしまいます。この所有権を確保するためにも、検証、編集、コンセプト付与といった価値のある摩擦を設けるべきです。
3. 特定の認知プロファイルを持つ人々への補償的利用
AIは、すべての人にとって認知能力の退化リスクをもたらすわけではなく、認知資源が限られている人々に対しては、強力な補償ツールとして機能します。
- 高齢者の意思決定支援: 高齢者(平均年齢74.23歳)を対象とした研究では、生成AIが個人の好みに合わせた推薦(preference-aligned recommendations)を提供することで、意思決定における選択困難度が有意に減少しました。
- 外部化された前頭葉: 認知機能が低下している高齢者にとって、AIは複雑な情報探索や吟味のプロセスを代行し、事実上「外部化された前頭葉」のように機能します。AI支援の目的は、ユーザーグループの認知プロファイル(認知資源の初期状態)によって根本的に異なることを認識する必要があります。
4. 心理的・社会的側面での適切な利用
対話型生成AIは、単なるツールを超えて「身近な相談相手」としての役割を担いつつありますが、これに伴う心理的依存のリスクを管理する必要があります。
- 心理的依存の認識: 対話型生成AIは、家族や友人を上回り「最も気軽に相談できる相手」として認識されており、半数以上の人がAIにメンタルヘルスを支えてもらっていると感じています。しかし、約4割の人がAIの利用停止や反応の変化に不安を感じており、約3割が依存しているかもしれないと自覚しています。
- 非判断的な特性の活用: AIの持つ「非判断的(non-judgmental)」な特性は、人間関係の感情的コストを回避する手段となり心理的依存を深める一方で、対人関係に困難を抱える人々にとっては、失敗を恐れずに安全に試行錯誤できる「シミュレーション環境」として、特定の社会的スキルや認知機能の向上に役立つ可能性が示唆されています。
- HCD原則に基づく利用: 孤独の緩和や福祉の向上といった恩恵を享受しつつ、現実社会からの「精神の引きこもり」や、人間らしい共感・信頼の価値を損なわないよう、人間中心のデザイン(HCD)原則に基づいてAIの利用目的と範囲を明確に定義し管理することが求められます。
AIを効果的に活用するためには、AIは人間の認知機能の筋肉を鍛えるための負荷を肩代わりするサポーターではなく、あくまで思考の幅を広げるための協力者であり、限られた認知資源を補うための外部リソースであると捉えることが重要です。無批判な受け入れは認知的な「栄養失調」を招く可能性があるため、常に主体的な関与と批判的思考を維持するバランスが求められます。
Googleの大学生向け活用アイディア集
が公開されました。
「講義・レポート」「サークル活動や日常」「留学やスキルアップ」「就職活動」などにおいてのヒントが記載されています。
有効活用しましょう。
今日のテーマ Antigravity
Antigravityとは
Google Antigravityは、AIエージェントとの協働を前提に設計された新しいIDE
IDEって、なんでしたっけ?
IDE(Integrated Development Environment:統合開発環境)とは、プログラマーがソフトウェアを効率的に開発するために必要なソースコードエディタ、コンパイラ(ビルドツール)、デバッガなどのツール群を一つにまとめたソフトウェアのことです。
VSCodeもいってしまえば、IDEの一種と捉えることもできるので、AIにて拡張されているVSCodeと考えるのが一番わかりやすいかもです。
AIで何が拡張されてるの?
AIが自律的にタスクを計画・実行する「エージェントファースト」な世界への扉を開くものです。
これまで、VSCodeでテキストを入力していると「次、これ打ちたい?」と候補を提案してきました。
この、コーディングをアシストする機能だけでなく、開発するすべてを指揮する機能がついていると思うと良いかもしれません。
AIエージェントとは、人間からの指示が少なくても、目標達成のために自律的に状況を判断し、計画・実行・学習を繰り返せるAIシステムであり、これが高度に実装されているのがAntigravityといえます。
| 従来の開発 (Cursor等) | Agentic Development (Antigravity) |
|---|---|
| 人間がコマンドを実行 | AIがターミナルを操作・実行 |
| 人間がブラウザで確認 | AIがブラウザを開き、動作を目視確認 |
| エディタの中にAIがいる | AIエージェントの中に開発環境がある |
Antigravityの4つの設計思想
1. Trust(信頼):ブラックボックスからの脱却
- 実装計画書(Implementation plans)
- タスクリスト
- 作業手順のウォークスルー
- 検証時のスクリーンショットやブラウザ録画
Antigravityは、タスクレベルでの抽象化を行い、人間が理解しやすい「Artifacts(成果物)」としてプロセスを提示します。 成果物や検証の様子を見てみましょう。
2. Autonomy(自律性):ブラウザ操作とエンドツーエンド実行
エディタの中だけでなく、ターミナルやブラウザも扱いながら、自律的に以下のことを行います。
- 新しいフロントエンド機能のコードを書く
- ターミナルを操作して「localhost」 を立ち上げる
-
ブラウザを操作して、新機能が正しく動くかテストする
- Agent Across Editor, Terminal, and Browser
3. Feedback(フィードバック):非同期での協調
エージェントが色々動作している中、人からのフィードバックがあれば、即座にエージェントの実行プロセスに取り込まれ、軌道修正されます。
4. Self-improvement(自己改善):使えば使うほど賢くなる
過去の作業ログなどを参考にしながら、成功パターンを学修し、チーム専用のエージェントとして進化します。
対抗馬は?
AIによって進化するIDEには
- Cursor
- Windsurf
等が挙げられますが、現状、以下のような違いがある模様です。Cursorも人気がありますね。
二つの役割
AntigravityのAIには「Editor」「Manager」の二つの役割があります。
| 特徴 | Editor View (現場) | Manager View (司令室) |
|---|---|---|
| 役割 | コードを書く、修正する | エージェントに指示を出す、進捗管理 |
| AIの動き | 同期的 (Synchronous) あなたと一緒に作業する |
非同期 (Asynchronous) 裏側で自律的に動く |
| イメージ | AI搭載のVS Code | 複数の部下を管理するSlack/Trello |
| 得意なこと | 詳細な実装、デバッグ、リファクタリング | リサーチ、プロトタイプ作成、テスト実装 |
Managerの
これまでの「エディタの中にAIがいる」という常識を覆し、「AIエージェントの中に開発環境が埋め込まれている」という逆転の発想で設計されています。
というところがAntigravityの現時点で優れているところといえます。
Antigravity 使ってみよう
インストール
2025/12/9現在ではversion「1.11.17」です。 VSCodeの派生ですから、なんか似てるな、と感じる人もいるでしょう。
「About Antigravity」を見てみると
Antigravity Version: 1.11.17
VSCode OSS Version: 1.104.0
Commit: c595276fa83d83a7c3233d582e4120f92017171c
Date: 2025-12-08T23:18:46.541Z
Electron: 37.3.1
Chromium: 138.0.7204.235
Node.js: 22.18.0
V8: 13.8.258.31-electron.0
OS: Darwin arm64 24.6.0
Language Server CL: 841922742
となっています。
セットアップ
特別な理由がなければ
- Start fresh
- Dark
- Agent-assisted development
とかでいいでしょう。。
拡張機能
「Install 7 Extensions」は強く推奨されているようです。チェック入れましょう。
日本語化
日本語にならない場合には、左の上から6つ目のアイコンで「Japanese」を探して、Language Packを入れましょう。
右下の「Antigravity-settings」からCustumization-Manageをクリックしてからglobalをクリックして「応答は日本語で行ってください」とすることで、メッセージが日本語化されます。
モデルの選択
| 利用可能なモデル | 特徴 |
|---|---|
| Gemini 3 Pro(High) | Antigravityの中核モデル。最も高い自律性と推論能力を持ち、長時間の介入なしでのタスク実行が可能。 |
| Gemini 3 Pro(Low) | 軽量なタスク向けのコスト効率の良いバージョン。 |
| Claude Sonnet 4.5 | Anthropic社の高いコーディング能力と安全性で定評のある最新モデル。 |
| Claude Sonnet 4.5(Thinking) | 深い思考プロセスを伴うバージョン。 |
| GPT-OSS | OpenAIの技術に基づくオープンモデル。 |
ちょっと試してみたところ、Gemini 3 Pro(High)のクオリティが高いです。 制作するだけであれば、これとあとで紹介するエージェントモード(Fast)でいけそうです。
利用制限について
数日前に変更があったようで、無料プランだと
- Before: 数時間使って制限がかかっても、少し待てばまた使えた。
- After: 1週間分の利用枠がドカンと渡される形に。
となっています。Googleの意図としては、「プロジェクトに集中している時に、頻繁に止まらなくて済むように」という配慮のようです。
有料プランだと5時間ごとにリセットされます。
エージェントモード
Planning(計画重視)
- 用途: 深いリサーチ、複雑な作業、または共同作業。
- 特徴: エージェントはタスクを実行する前に計画を立て、タスクグループに作業を整理し、Artifactsを作成します。徹底的に調査・検討を行ってから実装に移ります。
Fast(速度重視)
- 用途: 変数名の変更、数回のBashコマンド実行など、シンプルで局所的なタスク。
- 特徴: エージェントは計画を立てずに直接タスクを実行します。スピードが重要で、品質低下のリスクが少ない場合に最適です。
権限
怖いので、説明だけにします。 ターミナルコマンドの自動実行権限、ファイルアクセス権限の設定があります。
これ、便利になるかもしれませんが、勝手にAIが自分のコンピュータを操作できることを意味します。 すべてを自動でできるモードは危険です。適宜、確認を聞いてくるモードが良いと思います。
geminiと異なるところ
作業用のフォルダを明示しましょう。 すると、その中に自動的にファイルを複数作成していきます。
動画で見てみよう
仕事が変わる…
これまで、Webやアプリ開発においては
- Webプロデューサー
- Webディレクター
- Webプランナー
- Webデザイナー
- UI/UXデザイナー
- Webエンジニア
- Webコーダー
- Webマーケター
- Webライター
等の職種の人が協力して制作していましたが、確実にAIがかなりのことを素早く仕上げてくれる世の中になっています。
感覚としては、これまで人に頼んでいたことを、AIに頼むことができるようになっていると感じています。
人ができることは何なのか、これは業界問わず直面することになると思いますので、しっかり考えていきましょう。
さて、どこまでできるかな…
架空のポートフォリオサイトを実装してみよう。
- 作業用のフォルダを作成
- やってみた感じだとGemini 3 Pro(High)/Fastモードがいい感じかな…
- 指示を出してみよう。具体的に指示を出した方が仕上がりが近くなります。
例:「映像・グラフィック・情報・造形」の4つのカテゴリーの作品を含むポートフォリオサイトを作成してください。作品はそれぞれ詳細ページに飛べるようにしてください。 自己紹介ページも別で作成してください。
- おかしなところがあれば、指示を出して修正してみましょう。
- 作業フォルダを圧縮してzip化してmanabaに提出してください。